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Substance Designer 14の新ノードを使用してリアル系マテリアルからスタイライズマテリアルを作り出す

前回の記事「新しいQuantize ColorノードとPalleteノードを使用する方法」で新しいQuantize ColorノードとPalleteノードを使用する方法をご紹介いたしました。

基本的にどんなカラーデータも量子化できるので、リアル系マテリアルを全体のスタイライズ化するために使用したいと思います。

Substance Assetsからダウンロードした下記のマテリアルを使ってスタイライズマテリアルを作成します。

 

新しいQuantize ColorをBase Colorに接続します。

下図で上が元のテクスチャで下がQuantize ColorのOutputです。

 

デフォルトの32色で問題ありませんがスムーズ化する必要があります。

Contour Smoothingを8にしました。

結果には良い感じですが、落ち葉の色を変更したいと思います。
もっと明るくて鮮やかな色に置き換えたいと思います。

そこでModify Paletteノードを使ってそれを行います

置き換えたい色をターゲットに設定して

Color Selection Spreadに0以外の数値を入力します。

Overrider Colorに置き換えたい色を設定します。

Opacityを下げます。

 

結果を3Dビューで表示します

 

何か足りないですよね。。。

ノーマルマップがまだかなりノイジーで リアルなままですね

 

素晴らしいことにノーマルマップもQuantize Colorで処理できます。
ノーマルマップをQuantize Colorに接続し

Max. Color Amountを下げて、Smoothingを上げます。

ノーマル情報を扱う際に特に注意が必要な設定があります。

Quantizeのプロパティで 「distance color space」オプションがありこれまで「lab」モードで作業してきました。
これは人間の目が感じるものに最も近く ベースカラーには非常に適しています。
しかしノーマル情報のようなデータを扱う場合はRGBに切り替える方が最適です。

どのように見えるか確認しましょう。

3Dビューでも確認します。

良い感じになってきました。
ただ、もう少し絵画的な柔らかさや有機的な感じが欲しいですね。

 

ここでKuwaharaフィルターを使ってみたいと思います。

すでにこのフィルターについてご存じ方も多いと思いますが、もともとはノイズ除去用に設計されたのですが手描きのような素晴らしい見た目を作り出すこともできます。

現在のリリースには2つのKuwaharaノードがあります。
グレースケール用とカラー用の2つです。

Kuwahara Colorを使って、ノーマルマップに接続してみましょう.

Radiusを増やすとどうなるか見てみましょう

Kuwaharaフィルターはエッジをスムーズにして。ノイズの多いギザギザを取り除きながら 形状を保持しようとしています。

すべての方向に均一にスムージングするのではなく画像の流れに適応してスムージングしています。

草やコケの部分では塊の方向を保持できているのがよくわかります。

これが「Anisotropic Kuwahara」と呼ばれる理由です。

Anisotropyを0にすると

すべてがぼやけてしまいます。
達成したい見た目に応じてパラメータを調整して特定の効果を得ることができます。

良い感じですね。

Directional Mapの入出力もあります。

例えば今回の場合、ベースカラーにもKuwaharaフィルターを適用したいと思います。

現在の状態はこのような感じです。

Anisotoropic Kuwahara Colorを作成し、Modify Color Paletteと接続します。

Radiusを大きくし、Sharpnessの値も増やします。

 

ノーマルマップと同期させるためにDirectional Mapの入力を有効にして接続します。

 

異方性の角度を変更すると

また違った結果となります。

ブラシストロークのようですね。

このQuantizeとKuwaharaの組み合わせがエッジを強調するために使用できる素晴らしいCurvatureマップを 提供してくれるのも素晴らしいですね。

Normal Intensityを少し強めに設定しCurvatureを強調

このCurvatureをマスクとしてBlendノードのAddモードにすることでエッジを強調することができます。

 

Anisotoropic Kuwaharaの結果

BlendでCurvatureを追加

 

良い感じですね!

このようにして新しいノードを活用してスタイライズワークフローをぜひ試してみてください。

リアルバージョンとスタイライズバージョンを簡単に作成することができます。

 

 

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