概要
本記事では、SideFXが公開している GAME JAM STARTER KIT から MODULAR WALL(モジュール型ウォール)を Unreal Engine を使って解説します。
GAME JAM STARTER KIT のダウンロードはこちらから:
https://www.sidefx.com/ja/tutorials/game-jam-starter-kit/
このツールにより、窓やドアのある壁の作成ができます。 壁のサイズや要素の配置を制御でき、壁を曲げたり、境界を元にそのルックを変更、ランプパラメータで形を整えることもできます。
ツールの使い方
ツールをロードすると、デフォルトとしてシンプルな壁がシーンに配置されます。
パラメータ上部の Main Size XY で壁のサイズを変更できます。
サイズ変更のパラメータの下に、複数のタブが用意してあります。
Wall タブで壁の制御をし、
Door 以下のモジュールタブでドアや窓を追加・調整します。
Wall
Wall タブでは、 Style から材質を変えることができます。
Wood とすれば、
木の板を打ち付けた壁になります。
Style をデフォルト以外に変更すると、更にパラメータが展開されます。
Planks multiplier で板の数を変えられます。
Stones にすれば石が積まれた壁にできます。
パラメータを操作して積み方を変えたり、石の量を変えたり、一部の押し出しをしたりできます。
Door
デフォルトでは enable doors にチェックが入っていないため、壁にドアは表示されていません。
チェックを入れると、
ドアが配置されるのが確認できます。
Position Door でドアを左右に移動させます。
Door Height で高さを、Door Width で幅を変えます。
Amounts doors と Detail line door でドアの見た目を変えることができます。
Round Door にチェックを入れると、丸形のドアにできます。
Window
デフォルトでは Add window が 0 になってるため、壁に窓は表示されていません。
+ボタンを押すとパラメータが展開され、シーンに窓が追加されます。
Position xy で窓の位置を変更し、size xy で大きさを調整します。
Round windows で丸い窓にできます。
Border
Border では壁の外枠と、ドアや窓の枠の調整をします。
壁の材質を石にしたままで枠組みが木だと、石が枠を貫通してしまいます。
Style を Stone に変えると、
枠が厚い石になります。
各部位の枠を表示させるかどうかも決められます。
Bottom border のチェックを外すと、
底の枠が表示されなくなったのが確認できます。
Border size で枠の幅を変更し、
Stone distance で枠の押し引きをし、
Stone Size で枠の石の大きさを変えられます。
Merge stones でいくつか石をくっつけることもできます。
枠を木製に戻すこともできます。
木製の枠の場合、その形状を profile のカーブランプで制御できます。
ランプの左側が枠の上に対応し、右側が枠の内側に対応していて、カーブで窪みの調整ができます。
Border size, Main border distance, boost profile で枠の細かい調整ができます。
Bend
Bend オプションを使うと、壁を曲げることができます。
デフォルトでは -90° に設定されています。
360° にすれば筒状にできます。
えんとつや塔を作るのに便利です。
Extra divisions の値を変更させて、曲げた時の滑らかさを調整します。
Taperオプションから Enable をチェックすると、壁に傾斜をつけることができます。
Taper の値を上げると一方の高さを変え、
Squish を変えるとさらに波立たせることができます。
Capture region bend で特定の領域だけ湾曲させることができます。
Pivot bend はデフォルトで 0 ですが、値を上げると、
壁の中央から値の程度に従って曲げられます。
Bend Length を増やすと、
より明確に曲げることができます。
デフォルトの壁から独自の変更を加え、複雑なモデルキットを作成できます。
これを利用して、WaveFunctionCollapse ツールのタイルキットを制作することもできます。
WaveFunctionCollapse ツール:
https://support.borndigital.co.jp/hc/ja/articles/900002370023(修正中)
Output
Output オプションから、モデルの各部位の色やグラデーションを調整できます。
Color Wall, Door, Borders, window でモデルの各部位の色を変えます。
Gradient intensity でグラデーションの調整をします。
グラデーションは法線方向に適用され、0 にするとグラデーションは完全に消えます。
カラーピッカーを展開して、色を変えられます。
0.3 などの少ない値で十分な結果が得られます。
このツールで制御できるのは、壁の材質、ドアや窓の配置、湾曲やゆがみなど多岐に渡ります。
ゲームエンジンのアセットを使う Instance 機能こそありませんが、代わりにこのツールでアセットを制作し、ほかのツールで使うことができます。