概要
本記事では、SideFXが公開している GAME JAM STARTER KIT から ROCK(岩)を Unreal Engine を使って解説します。
GAME JAM STARTER KIT のダウンロードはこちらから:
https://www.sidefx.com/ja/tutorials/game-jam-starter-kit/
このツールで、ゲームレベルで使用可能な岩層を作成できます。 エディタで元となるジオメトリを作成、それを元に岩層を形成、さらに岩層が地面に接する場所には小さな岩を追加できます。
ツールの使い方
最初にツールをロードすると、岩の塊が表示されます。
Custom input では、基になるジオメトリを入力し、ツールを適用したい領域を制御します。
Settings には Global Seed があり、岩のバリエーションを試すことができます。
ツールを適用させるジオメトリとして、Box から橋を作ります。この形状が基礎となり、岩層が生成されます。
ジオメトリが完成したら Geometry input から World Outliner input を選択し、
作ったジオメトリをすべて選択し、
Use Current Selection をクリックします。
すると、ジオメトリが岩に覆われている様子を確認できます。
パラメータの変更
Settings の一番上にあるResolution はモデルの解像度を制御します。
値を大きくすると解像度が下がります。
デフォルトの 0.1 であれば、基のジオメトリのサイズに関係なく適切な働きを見せます。
Main rock
Main rock では、ジオメトリを覆う岩のパラメータを制御します。
Global Seed は上で説明した通り岩の表現に乱数を加えます。
Density Custom input では、岩層の密度を変更できます。
Overall scale を変更すると、岩の量と岩そのものの大きさを調整することができます。
Min scale と Max scale は各岩の大きさの最小値と最大値を制御します。すべての岩がこの範囲でランダムなサイズになります。
さらに Jitter scale を使えば、岩の配置や表現はさらにランダム性を増します。
このツールはプロシージャルかつインタラクティブであるため、基のジオメトリの変化に従って岩層も変化します。
ジオメトリに使った box を移動させれば岩も追随し、岩層が変化する様子を確認できます。
Rock near ground
Rock near ground では、岩層と地面が接する部分に散乱する小石を制御します。
デフォルトでは Enable にチェックが入っていないので、シーンには表示されません。
この機能を使うには岩層と地面の二つをツールに入力する必要があります。
岩層は既に入力済みなので、地面となるものをシーンに用意します。
デフォルトでは Ground plane が None となっています。
Plane をシーンにドラッグし、
モデルに合った大きさに拡大縮小し、位置を変更して、Plane とモデルが確実に交差していることを確認します。この交差している周りに小石が生成されます。
Geometry input から World Outliner Input を選択し、
Plane を選択した状態で Use Current Selection をクリックします。
Settings から Rock near ground に戻り、Enable にチェックを入れます。
交差した部分に小石が発生しているのが確認できます。
Output の一番上にInstance を有効にするかどうかのチェックがあります。デフォルトでは有効です。
Instance を使えば、発生する小石の種類もしくは大きさのバリエーションを増やすことができます。
Offset を使えばそれぞれの位置と大きさをさらにランダム化できます。
無効にすれば、利用するメッシュは1種類のみになります。
Color から色を変えることができます。
カラーランプから色を変更し、さらに細かい調整も可能です。
今回は門もしくは橋のようなモデルを作りましたが、ベースのジオメトリや岩のサイズ・密度を調整すれば、山や洞窟の入り口を作ることができます。