Labs Delight GSplatsノードの主な役割は、3DスキャンしたGaussian Splatsデータから、焼き付けられた照明(影や光)を取り除き、オブジェクト本来の色を抽出することです。
仕組みとしては、各スプラットのスケールに合わせて周辺の照明状態を推定し、その光の影響を元の色から差し引きます。Gaussian Splats専用に設計されているため、色の滲みを最小限に抑えつつ、細部のディテールをしっかり保つことができます。抽出された純粋な色は「albedo」というアトリビュートとして保存されます。
3Dスキャンしたデータは撮影時の光や影が含まれたままになっていますが、このノードで本来の色を取り出しておくことで、CG上で別の環境光を当てた際により自然な結果を得ることができます。
主要なパラメーターの働き
基本バラメーター
基本設定では、照明推定のベースとなる範囲や、元のカラーとのブレンド具合を制御します。
- Delight Amount: オリジナルのカラーと、計算されたalbedoをブレンドします。
- Light Blur Radius: 局所的な照明を推定する際に使用するベースの検索半径を定義します。この値を大きくすると照明の推定結果が滑らかになりますが、局所的なディテールが除去される可能性があります。
- Max Blur Points: 照明フィールドを推定する際に考慮する、近傍のスプラットの最大数です。
- Spatial Falloff Sigma: バイラテラル照明フィルターの空間的なフォールオフを制御します。値を小さく設定すると局所的なディテールが保持され、大きくするとより滑らかな照明の推定結果が得られます。
※バイラテラルフィルター:空間的な距離だけでなく、色や輝度の差も考慮して平滑化を行うフィルター
エッジ保持機能
このセクションのパラメータは、異なるマテリアルやカラーの境界線でのカラーの滲みを防ぎ、ディテールを保つために使用します。
- Edge Preservation Sigma: カラーや輝度の差が、照明推定時の近傍スプラットのインフルエンスをどの程度強く減衰させるかを制御します。値を低くするとマテリアル間や照明領域間のシャープな遷移が保持され、高くすると滑らかな照明推定となります。
- Chroma Influence: カラーの類似性がライト推定フィルターに与える影響の強さを制御します。高い値を設定することで、異なるカラーのスプラット間の境界が保持され、カラーの滲みを減らすことができます。低い値にすると、カラーの遷移を越えてより自由に照明が平均化されます。
- アンビエントオクルージョン
- ディライト処理によって失われがちな奥行き感や、細かな凹凸の陰影を復元・調整するための機能です。ディライト後に深度を復元するためのオプションパスとして機能します。
- AO Amount: ディライト後に、推定されたアンビエントオクルージョンを計算されたalbedoに対してどの程度乗算して戻すかを制御します。
- AO Radius: アンビエントオクルージョンを推定する際に使用する検索半径を制御します。
- Crevice Shadow Lift: 強く遮蔽された領域において除去する照明の量を減らすことで、キャビティやクリース内の局所的なシャドウを保持します。
カラーコレクション
抽出されたalbedoアトリビュートに対するポスト処理としての色調補正や、除去する光の色味を正確に定義するために使用します。それぞれの働きは以下の通りです。
- White Balance: 推定された照明を最終的なalbedoアトリビュートから取り除く前に、そのホワイトバランスを調整します。ここで選択したカラーは無効化すべき光の色を表しているため、この設定を活用することで、暖色系の屋内照明や寒色系の屋外照明といった色付きのライティングの影響を、より正確に除去できます。
- Exposure: 生成されるalbedoアトリビュートの露出を調整します。ここに入力する各整数値は、およそ1ストップ分に相当します。
- Gamma: 結果として得られるalbedoアトリビュートのガンマを調整します。1未満の値を設定すると中間調が暗くなりコントラストが強調され、1より大きい値を設定すると中間調が持ち上げられてよりフラットな結果が得られます。
- Saturation: 生成されるalbedoアトリビュートの彩度を調整します。高い値を設定するほど、より鮮やかなカラーになります。
高度な設定
照明推定のアルゴリズムをさらに細かく制御するためのものです。
- Alpha Weighting: 照明を推定する際、近傍のスプラットの不透明度とスケールによるウェイト付けの強さを制御します。高い値を設定すると、より大きく不透明なスプラットが推定に与えるインフルエンスが強くなります。
- Scale Influence: Gaussian Splatsのスケールが、近傍探索のサーチ半径に与える影響の強さを制御します。この値を上げることで、小さなスプラットの計算は局所的に維持したまま、大きなスプラットに対してはより広い範囲で照明を推定させることが可能になります。
- Light Color Preservation: ディライト処理中に、推定された照明カラーをどの程度保持するかを制御します。低い値に設定すると、照明の推定値がより強く無効化されるため色付きの光が多く除去されますが、高い値に設定するとオリジナルの照明カラーが多く残るため、より自然な結果を得ることができます。