Houdiniでアニメーションを作ろう パート3:グローバルトランスフォームとチャンネルウィジェットからの続きとなります。
シーンファイルは本チュートリアルの一番下からダウンロードしてください。
ここまででSelection Setsの設定が完了し、Control+Shiftを使ってグローバルトランスフォームモードで任意のピボットを基準にコントロールを移動できるようになりました。
ここからさらにいくつかの操作を行っていきますが、その前に注意点があります。
ハンドルの表示は自分の好みに合わせてハンドルを設定することが可能です。最小化して、作業スペースを少し広げることも可能です。
Pキーを押すと、いくつかのオプションが表示されます。
回転のステップや線の太さ、スケールファクターの設定があります。これは、コントロールを選択したときのハンドルの大きさを調整するものです。小さくしたり、大きくしたりできます。また、明るさの設定もあり、ハンドルを暗くすることもできます。
『Draw Handle in All Viewports』はビューポートでハンドルを描画する設定です。
オンの場合、Space+Bを押して四分割にかえると、すべてのビューポートにハンドルが表示されるのが確認できます。
通常は自分が作業しているビューポートだけでハンドルが表示されればいいことも多いので、作業中のビューポートだけにハンドルを表示するように設定をオフにします。
Shift+Bでシングルビューに戻れます。
また、『Show Handle Plane Controls』というオプションもあり、これを使用すると、選択した平面上でのみ移動できるようになりますが、必要なければオフにすることもできます。
また、Alternate Rotation Mode as Defaultという設定もあります。
通常、ハンドルを掴んで回転させると上下に回転しますが、『Alternate Rotation Mode 』を使うと、ラインに沿ってドラッグするだけで回転でき、軸を回して操作する必要がなくなります。
この設定では、点線が表示されその方向にマウスを移動するだけで回転ができます。
もう一つの設定は、『Translate Axes outside Rotate Sphere』です。
通常、移動軸はすべて内側にありますが、これだと選択する際に重なってしまい、軸を選択しづらくなることがあります。移動軸を外側に配置することで、トランスレートハンドルがはるかに選択しやすくなります。
ここで補足しておくと、Mキーを押すと、さまざまなオリエンテーション(方向)を切り替えることができます。
回転にはR、移動にはTキーを使うことができます。そして、Yキーを押すと、これらのモードを簡単に切り替えることができます。
『Hide Contorols During Playback』をオンにしておくと、再生中にすべてのコントロールがオフになりますので、シーンが見やすくなります。オフにした状態で再生すると、コントロールは表示されたままです。
これらは、設定を調整して自分好みにハンドルをカスタマイズできるいくつかのパラメータです。
また、右クリックでハンドルを操作すると、Alignmentオプションが表示されます。先ほど説明した通り、Mキーを使ってもAlighmentを切り替えることができます。
World、LocalなどのAlignmentがありますが、個別に設定することもできます。
よく使用するのはTranslate AlignmentをWorldに設定することです。つまり、Y軸が常に上方向になるので、オブジェクトを上に移動させたいときに便利です。
しかし、特に足首や手首のような関節部分では、ヒンジに沿って回転させるためにそのまま維持します。
この設定は自分の好みに応じて変更できますし、必要に応じて設定を切り替えながら作業を進めることができます。
さて、すべてのハンドルが整理できたので、Gキーを押した後にすべてのコントローラーを選択し、再度ほうきボタンできれいにします。
次に使用するいくつかのツールについて見ていきます。
まず最初に行うのは、Selection Setsの『all mover 』というツールを使うことです。
これを使うことで、キャラクター全体を動かすことができます。
Selection SetsでElectra_blockをピン止めし、フレーム1でkキーを使用してキーフレームを追加します。
フレーム10に移動しましょう。
『All_mover』を選択し、Ctrl+Shiftキー(Global Transform)を押しながらキャラクターを回転させ、キーを設定します。
ピン留めしているので、すべてのブロッキングチャンネルに確実にキーが設定されます。
もし、ここから足を中心にキャラクターを回転したい場合はどうでしょうか?上にピボットがないので、そのような動きができません。
しかし、他のツールを使って実現することができます。
上部にポーズツールのオプションがあり、ロケーターボタンが表示されています。
また、Cキーを押し続けると、ラジアルメニューが表示されます。
ここで『Add Locator』を選択できます。
『Add Locator』ツールを選択すると、オプションが少し変わります。
足を選択してHキーを押します。
Hキーを押すと、何か選択している場合、新しいロケーターが作成されます。ここではLocatorと足のコントローラー2つの間にコンストレインが作成されます。
しかし、今回はコンストレインは必要ないので、選択を解除して、何も選択していない状態にします。
次に、マウスのカーソルを足のさらに上において、Hキーを押します。すると、マウスのカーソルがあった位置に小さなNullが作成されたのがわかります。
ロケーターを選択し、マウスのスクロールボタンをくるくる回転するとロケーターの形状を変更することができます。
Shiftを押しながら、スクロールボタンをクルクルすると大きさを変更することができます。
このロケーターを使ってキャラクターを回転させることができます。
『All_mover』を選択し、次にロケーターをShiftを押しながら選択します。
Selection Setsウィンドウ上で右クリックして『Create Set from Selected』を選び、『dangle』と名付けます。これで、素早くセットを選択できるようになります。
Control+Shiftを押しながら、キャラクターをこの場所で振り回すことができます。
一旦戻します。
タイムバーを右クリックすると、アニメーションツールバーを表示することもできます。
さまざまなオプションのアニメーションスライダーがあります。ツールサイズをコンパクトにすると、
多くのオプションが表示されます。オプションの中には、ビューポートよりもグラフエディタで使う方が効果的なものがあります。
サイズを『Extra Wide』に戻します。
例えば、キーを隣のキーにブレンドすることが可能です。
1フレーム目に移動し、『Dangle』を使用して、Blend to Neighborスライダーをドラッグして隣のキー(10フレームのキー)にブレンドします。
ドラッグするだけでキャラクターが逆さになります。こうして素早くポーズを作成し、調整することができます。
キャラクターを振り回すようなアニメーションにしたいと思います。すでにキーが設定されているので、そこから進めていきます。
キーが確実に設定されるために、ピン留めすることをお勧めします。
フレーム1に移動し、キャラクターを回転させ
20フレームに移動し、回転して再度キーを設定します。
これで回転が設定されました。
ただし、これは補間を切り替えたわけではなく、すべてのIKコントロールでリニア(線形)のIK変換が適用されています。ここで、Shiftキーを押しながら10フレーム目のキーを選択して
Deleteキーを押すと、この挙動が確認できます。
今、2つのキーだけで、リニアな変換が行われているのがわかります。
この状態では全体が圧縮されてしまっています。
これを簡単に修正する方法としては、10フレームで再び『Blend to Neighbor』を使い、
その後、Ctrl+Shiftを使用して、回転させます。
そうすると、より滑らかな変換が得られます。これは、ブレイクダウンを行っているためです。このように、多くの方法でこの機能を活用することができます。
完了したら、Cキーから再びAnimateに戻って作業を続けることができます。必要であれば、すべての機能を引き続き使用できます。
Selection Setsに関して少し理解が進んだでしょうか。
Selection Setsを活用してさまざまな設定を行ったり、ロケーターを使って別のピボットを追加したり、新しいコントロールやセットを作成し、隣のキーにブレンドしたり、ブレイクダウンを行うことで、必要に応じてアニメーションを調整できるようになります。
今回は主にポージングツール、Selection Setsの使用、Control+Shiftでの操作、そしてアニメーションスライダー内のツールの使用に焦点を当てていました。
次は、もう少しアニメーションについてご紹介します。
Houdiniでアニメーションを作ろう パート5:プロップを追加する