Game Development Toolsetは、Houdiniのゲーム関連ワークフローを高速化することを目的とした高度なツールの集合体です。UV編集から始まり、シミュレーションを元にしたモーション・ベクトルの生成に至るまで、非常に多くのゲーム・ツールが開発されています。
Houdiniはすべてゲームコンテンツを生成するために使用できますが、このツールセットはHoudiniで現在利用できないゲーム固有のタスクに対応しています。これらのツールは通常のHoudini開発サイクルとは別に開発され、 テストされています。 現在、githubページから配信されており、Houdiniから直接ダウンロード可能です。
ツールのダウンロード
Houdiniには、ゲーム開発用シェルフタブがあり、ゲーム開発ツールに特化しています。 このタブはGamesデスクトップに含まれていますが、他のデスクトップのシェルフセットに追加することもできます。 [Update Toolset ]ボタンをクリックします。 これにより、ダウンロードするブランチとリリースを知らせるダイアログが表示されます。
このツールセットは常に進化しており、定期的に更新する必要があります。 このコレクションで見つけることのできるツールのいくつかを以下でご紹介いたします。
ジオメトリツール
ここで紹介するツールとユティリティは、Houdiniのジオメトリレベルでの作業に役立ちます。
Calculate Occlusion - SOPレベルで頂点アンビエントオクルージョンを計算します。 強度、減衰、ぼかし用にコントロールが多数用意されています。
Delete Small Parts - ユーティリティSOP:サイズのしきい値に基づいて切断された小さな破片を削除します。
Edge Group to Curve - エッジ選択(グループ)をポリゴンカーブに変換します。 モデルや他の多くの用途に沿って何かを曲げたい場合に便利です。
Skinning Converter - Skinning Converterは、トポロジが変わらないデフォメーションメッシュシーケンスをボーンベースアニメーションへ変換するHoudini Digital Asset (HDA) です。
Group Edge Loop - グループエッジループ - ポイントループ、プリミティブグループ、およびエッジループをプロシージャル生成します。 N単位ごとにスキップすることも可能です。
Group Expand - グループを複数の反復で拡大または縮小します。 正の反復が拡大、負の反復が収縮となります。
Instant Meshes Bridge - インスタントメッシュブリッジ - インスタントメッシュは素晴らしいオープンソースの四角ポリゴンリメッシュツールです。 このsopsは、より簡単にHoudini内部で使用できるように、コマンドラインインターフェースをWrapしました。
Soften Normals - オブジェクトの法線をソフトにし、必要に応じてUVシームをハード化させるためのユーティリティスクリプト。
PolyDeform - 最初の入力を変形して2番目の入力の形に合わせます。 スキャニングされたデータを変更するのに非常に便利です。
Quick Material - QuickShade強化版。 Diffuseテクスチャを適用するだけでなく、SOPレベルで異なるPBRマテリアル設定のすべてを適用できます。
Thicken - このノードで平面サーフェスの厚さを指定します。 ジオメトリエラーを避けるために、オブジェクトの厚みを設定するよりスマートな論理も含まれています。ジオメトリを水密(隙間のない)にするのに最適です!
Unreal Pivot Painter -Unreal 4のピボットベースのアニメーションノードに必要な適切なデータを生成するツール。 これにより、従来のジョイント設定に比べて非常にわずかなオーバヘッドで複雑なシェーダアニメーションを行うことができます。
フローマップツール
フローマップを使用すると、ゲーム環境内の液体の動きをシミュレートできます。 これらのツールは、Houdini Fluidシムをフローマップに変換するのに役立ちます。
Flowmap Guide -カーブを追加入力として使用し、既に作成済のカーブに基づいてフローマップの速度フィールドを曲げます。 フローフィールドを非破壊で組み合わせるのに非常に便利です。
Flowmap Obstacle -オブジェクトを追加入力として使用し、既に設定したオブジェクトの周りの速度フィールドを活性化します。 非常に迅速にオブジェクトの周りの流れを曲げるために便利です。
Flowmap To Color - ワールド空間速度ベクトルをTangent(uv)Space Colorに変換します。 これにより、ユーザは速度をゲームエンジンで使用可能な頂点カラーとしてベイクすることができます。
リアルタイムFXツール
ビデオゲームのビジュアルエフェクトは、ゲームプレイに干渉しないようにできるだけ軽くなければなりません。これらのツールは、FXをHoudiniからゲームにやさしいアセットに変換するために役立ちます。
Make Loop - 一定のトポロジーを持つボリュームまたはメッシュを自動的にループさせます。 アニメーションを半分オフセットし、アニメーションをそれ自体にクロスディゾルブすることによってループにします。
Texture Sheets - このノードは、Flipbooks / Texture Sheetsの生成に役立ちます。 ノーマルの生成(ボリュームデータと従来の6個のライトリグの両方に基づく)と、テクスチャをパックする機能が含まれています。
Vertex Animation Textures - シミュレーションデータをテクスチャファイルにエクスポートします。 これにより、高解像度シミュレーションの非常に効果的な頂点シェーダ再生が可能になります。 4種類のシミュレーションがサポートされています。
Destruction Cleanup - オブジェクトが移動したかどうかに基づいてRBDシミュレーションを最適化します。
RBD to FBX - 破壊シーケンスをFBXにエクスポートします。 パックドプリミティブ破壊設定が適用され、すべてのポイントデータがオブジェクトレベルまで移動します。これにより、FBXはトップレベルのモーションとして解釈できます。 ほとんどのゲームエンジンは、このデータをネイティブに再生できるスケルトンメッシュアニメーションとして解釈します。
Static Fracture Export - リアルタイム破壊用に破砕前のピースをエクスポートします。 Unrealの破壊システムとNVidiaのPhysXLabに役立ちます。
Motion Vectors - 速度ベクトルをカメラ空間にレンダリングするため、フレームブレンドフローマップとして使用できます。
Vector Field - ベクターフィールドは、UE4のGPUパーティクルを制御するために使用される速度グリッドです。 このツールは、Unrealが使用するFGAファイル形式にエクスポートします。
UVマッピング
テクスチャUVは、ゲームアートを作成する上で大きな役割を果たしています。これらのツールは、Houdiniの既存のUVツールセットを補完して、より迅速かつ効率的に使用できます。
Auto UV - オブジェクトの継ぎ目を自動的に生成し、オブジェクトに対し、すぐにUV Flattenを実行します。 2つの主な技術があります:
- Shortest Path: 最短経路アルゴリズムを使用して、サーフェスの曲率に基づいてシームを定義します。
- Cluster: メッシュをクワドラントとuvアイランドに分割します。
Mark Seams - このノードを使用すると、UVなどの一般的なワークフローのエッジグループをより直感的に管理できます。本質的には、選択を保存するだけでなく、プリミティブ選択を既に定義されたプリミティブ境界のエッジ選択に変換することもできる便利なグループノードです。
Axis Aligned - UV Unwrapに似ていますが、小さなアイランドをクラスタリングすることでより良く動作します。
UV Stack - 同じようなUVシェルを積み重ねます。 髪のワークフローや一般的なUV管理に最適です。 バリエーション用にランダムにスタックを分割するためのいくつかの特別なコントロールも含まれています。
UV Unitize - メッシュのすべての面を0〜1のUV値にするシンプルなユーティリティツール。
UV Visualize - UVを視覚化するヘルパースクリプト。 シームの可視化、UV空間とモデル空間の間のワープ、グリッドテクスチャのタイリングの変更、アイランドの可視化などの機能を含みます。
ベイク
このツール群はHoudiniのベイキングツールをラップし、アーティストが作業しやすくします。
Games Baker - このノードでは、共通のマップを簡単にベイク処理できるだけでなく、追加のセットアップなしで任意のポイントアトリビュートをベイクすることができるため、ベイキングプロセスが簡単になりました。 同時に複数のHigh>Lowペアをベイクします。
Simple Baker - SOPレベルでのGame Bakerのラッパー。LowメッシュとHighメッシュの2つの入力を取得します。
ノーマルマップ
このツールを使用すると、Houdiniのコンポジットコンテキストを使用してノーマルマップを操作できます。
Normal Map - グレースケール画像からノーマルを作成し、ノーマルと強度のスケールを和らげるオプションを追加します。
Normal Combine - 2つのノーマルマップを適切に正規化したまま1つにまとめます。
Normal Invert - 画像の各チャンネルを反転します。通常、面倒なYチャンネルを反転に使用可能です。
Normal Normalize - 適切なバランスで3つのチャンネル全て有効なノーマルマップであることを保障します。
Normal Rotate - すべてのノーマルベクトルを正しい方向に保ちながら、ノーマルマップを回転します。
相互運用
ここで説明するツールを使用すると、データをHoudiniにインポートしたり、ゲームエンジンにエクスポートしたりすることが容易になります。
Impostor Texture - Imposterツールは、ゲームエンジン内の3Dオブジェクトに見せかけるテクスチャシートを作成します。 このツールは、完全な3D、軸固定、アニメーションImposterを作成します。
OSM Import - オープンストリートマップは、市街地データ用の素晴らしいデータベースです。 このノードは、ビルやストリート等異なるタグ付けされたアトリビュートを持たせながらOSMファイルをHoudini内にすべてに効率的にロードします。
OSM Buildings - オープンストリートマップは、市街地データ用の素晴らしいデータベースです。 このノードは、OSM Importノードから取り込まれたデータを解析し、プロファイルカーブから建物用ジオメトリを生成します。
FBX ROP -FBXエクスポート機能をSOPコンテキストに持ち込むためのユーティリティノード。 現在、SOPからジオメトリとAlembicをエクスポートできますが、FBXバージョンが異なります。
CSV Exporter - ジオメトリからデータを抽出してPythonで書き出す方法を示す簡単なサンプルROP。 コードの大部分は、[Type Properties]ダイアログの[Scripts]タブにあります。
Volume Textures - ボリュームを3Dテクスチャのフリップブックに変換します。 結果となるテクスチャは、リアルタイムでHoudiniをレンダリングするRay Marchingシェーダで使用できます!