レンダークライアントPCでRenderライセンスのみを使用してレンダリングを行う場合、必要なフレームを連番の .ifd として出力しておく必要があります。
IFD は、instantaneous frame description の略で、フレーム単位でのシーンの状況を記述し、レンダラーに渡すためのファイルフォーマットになります。
- OutコンテキストにMantraノードを作成します。
- 作成した/out/mantra1 の Driver タブの Disk File をオンにしてください。
- デフォルトでは、出力ファイル名は $HIP/mantra.ifd となっています。これは、現在のフレームを単一ファイルとして IFD に出力するための設定となります。
連番として出力するために$HIP/ifds/test.$F4.ifdと変更します。
これで、 hipのあるディレクトリに ifds という名のサブディレクトリが作成され、その中にifd ファイルが4桁 ($F4)の連番で出力されます。 - 一番上にあるValid Frame RangeをRender Frame Rangeに変更し、複数フレームをレンダリングできるようにします。デフォルトでタイムスライダーの最初のフレームと最後のフレームが読み込まれるようになっていますので必要に応じて、タイムスライダーの値を変更してください。
- この状態で Render ボタンをクリックすることで、画像の代わりに IFD ファイルが出力さます。
Houdini 16 より、Save inline geometry、Shared temp storage, Local temp storage の3つのオプションが追加されました。
- Save inline geometry がオフの場合:IFD のシーンの概要記述部分とジオメトリ記述部分を別ファイルに分け、ジオメトリ部分は、Shared temp storage で指定されたディレクトリに別ファイルとして出力します。
- Save inline geometryがオンの場合: IFD の中にジオメトリ情報も記述され、IFD ファイルが非常に巨大になる可能性があります。
Pyroなどシミュレーションキャッシュがある場合
IFDを出力する前にシミュレーションキャッシュを作成します。
- /obj/pyro_import/import_pyrofields ノードを選択します。
- Geometry File の値を下記のように変更します。
変更前)$HIP/geo/$HIPNAME.$OS.$F.bgeo.sc
変更後)$HIP/geo/$HIPNAME.$OS.$F4.bgeo.sc
$Fの後ろに4を追加し、4桁でフレームを出力できるようにします。 - Save to File タブで Render ボタンをクリックしファイルを出力します。
- キャッシュの出力が終了したら、Load From Disk をオンにします。
これにより、Houdini はシミュレーションする (import from DOP) のでなく、geo ファイルをロードするだけとなります。 - キャッシュをロードした状態で、Mantraノード>Driverタブで、Save inline geometry をオフのまま (デフォルト) で IFD の書き出しをもう一度行うと、Shared temp storage の中にジオメトリがもう一セット作られることになり。これではキャッシュに書き出した意味がなく待ってしまいます。
- IFD がキャッシュファイルを参照するためするには、import_pyrofields の Load From File タブで、Load を "All Geometry" から "Packed Disk Primitive" に変更。
その後、Mantra ノードで Save inline geometry をオンにします。
Packed Disk Primitive に変更後、IFD を出力することでIFD の中でキャッシュファイルを参照することになりShared temp storage にはジオメトリが出力されません。