パート1では、PDGの基本原理を説明したので、次に一般的な用語について紹介したいと思います。もしPDGについて調べたことがあるか、または最近のビデオを見たことがある場合、PDGとTOPの違いについて疑問に思うかもしれません。PDGは裏側のアーキテクチャまたはAPIであり、すべての操作の背後にあるものです。
そして、TOPはHoudiniのコンテキストです。TOPはタスクオペレーターを表し、このトップハットのアイコンで表されます。私たちが使用しているTOPノードは、基本的にはPDGのAPIラッパーです。そして、Houdiniユーザーにとっては、Houdiniのさまざまなコンテキストで作業することが非常に馴染み深いと思います。
これら2つの間の正確な違いを知ることはあまり重要ではありませんが、いくつかの微妙な違いがあるということだけ心にとめておいていただければ十分です。
次に、ワークアイテムとスケジューラについて紹介し、それらがどのように関連しているかを見ていきたいと思います。PDGのチュートリアルでは、ワークアイテムという言葉をよく耳にすることになりますが、ワークアイテムは、TOPノード内の緑色のドットで表されます。
各ワークアイテムは、実行する必要がある単一のタスクやスクリプトを表します。これらのワークアイテムは、生成する必要のあるフレームやレンダリングする必要のあるビデオなどになることがあります。そして、上記画像右側にスケジューラがあります。スケジューラは基本的に、マシンやファーム上のリソースを決定し割り当てます。
スケジューラは、各ワーカーがワークアイテムを実行する際に使用できるリソースの量をTOPネットワークに伝えます。また、特定のタスクが失敗した場合の振る舞いを決定したり、環境変数を設定したりすることもできます。
具体的なワークアイテムの用語について説明します。
「Genereate Work Item(ワークアイテムの生成)」は、基本的にはTOPネットワークに、実行する作業アイテムの数を伝えることです。Generateを行っても、まだ実際の作業は実行されていません。必要な作業量を視覚化するための素晴らしい方法です。また、実際にワークアイテムを実行する前に、すべてが正しく設定されていることを確認するためにも使用されます。
そして、「Cook(クック)」とはワークアイテムの実行を意味します。ワークアイテムは、すでに完了している場合もあります。つまり、すでに実行済ということです。また、実行中のものや、未実行のものや、実行しようとして失敗したものもあります。そして、これらの異なるワークアイテムの状態をどのように視覚化するかについては別のパートで紹介します。
「レシピ」は、このTOPグラフやTOPネットワークを指す別の言葉です。
もしワークアイテムが 「dirty」 である場合、それはワークアイテムのデータが古くなっていることを意味します。TOPグラフを再クックする時、これらのdirtyなワークアイテムは再クックされます。手動でワークアイテムをdirtyにすることもできますし、時にはTOPグラフが自動的にワークアイテムをdirtyにすることもあります。
また、SOP内のポイントやプリミティブが「アトリビュート」を保持できるように、ワークアイテムもアトリビュートを保持することができます。これらのアトリビュートは、ワークアイテムのフレームや出力パスなど、任意のデータを定義することができます。
Houdiniユーザーの方は、Houdiniの中でのジオメトリ構築要素としてポイントやプリミティブを考えることに慣れています。しかし、PDGの世界に足を踏み入れると、ワークアイテムが慣れ親しんだ一般的ワークフローの構築要素になると考えるようになります。TOPに慣れてきたら、SOPコンテキスト内でポイントやプリミティブを扱うようにワークアイテムを操作することを考えてみてください。これにより、ワークアイテムを柔軟に操作する方法や、PDGの力を日常のワークフローでどのように活用するかを実際に学ぶことができます。