■ 概要
Maya起動時にOpenCLのエラーが発生し、Mayaがクラッシュし起動が出来ない問題について説明していきます。
■ 問題
Mayaを起動時、OutputWindowに下記のログが表示され、そのままMayaがクラッシュします。
OpenCL evaluator is attempting to initialize OpenCL.
この問題はグラフィックカードを挿しているときにのみ発生しており、グラフィックカードを外してCPUの内蔵GPUを使用している場合には発生しておりません。
問題は、Maya2016およびMaya2017で確認しております。
■ 原因
Mayaのクラッシュログを確認すると下記で問題が発生しています。
clGetCLObjectInfoINTEL
こちらは、IntelのGPUのOpenCLを呼び出すときに問題が発生しております。
CPUが新しいにも関わらず、Intel GPUのドライバが古いためMayaでOpenCLエラーが発生しておりました。
■ 解決方法
Intel CPUの内蔵GPUのドライバを更新するためには、Intel GPUを認識させる必要があります。
※Intel GPUのみにして、モニタをIntel GPUに接続することで認識させることもできます。
グラフィックカードが接続されていて、さらにモニタがグラフィックカードに接続されている場合においてはデバイスマネージャにIntel HD Graphicsは表示されません。
この状態だと、Intel GPUのドライバの更新ができないため、以下の設定を行うことでグラフィックカードにモニタを接続していてもIntel GPUが認識されるようにします。
1.
BIOS設定画面に入ります。
PC起動中にF2キーやDeleteキーを押すことでBIOS設定画面が表示されます。
(BIOS設定画面の表示する際のキーボード入力は、各メーカーによって違うことがあるので確認して下さい)
2.
Adbanced>Onboard Devices Configurationを選択し、Enterキーをおします。
3.
GraphicsがAutoになっているので、これをPCIE*16+iGPU等に設定し、
Intelの内蔵GPUが有効になるように設定します。
4.
設定後、デバイスマネージャを確認すると、nVidiaとIntel HD Graphicsが両方認識されます。
5.
Intel Downloadサイトから、Intel GPUのグラフィックドライバの最新バージョンをダウンロード、インストールします。
今回問題が発生したPCのCPUの内蔵GPUはIntel HD Graphics 530でしたので、下記を利用しています。
インストール完了後、PCを再起動してからMayaを起動させると、問題なく起動が出来ます。
上記手順にてよりIntel GPUドライバが更新されていれば、上記手順3で変更したBIOSの設定を"Auto"に戻しても問題ありません。
なお、BIOS設定画面に各メーカーによって異なることもあります。ご了承ください。